本棚に本があふれてる

読書の記録と本にまつわるあれこれ

腹黒じゃなくていい子だったよ~       『そらまめくんのベッド』

スーパーに買い物に行ったら、そら豆が売られていました。

グリーンピースにそら豆、枝豆、豆が出回るこの季節になるといつも思い出す本です。

 

そらまめくんのベッド (こどものとも傑作集)

そらまめくんのベッド (こどものとも傑作集)

 

 

そらまめくんの宝物はふわふわベッド。

誰にも貸さない大事な大事なベッドがある日とつぜんなくなって…?

 

 

 

そら豆といえば、私が子供のころ、親に聞かせてもらったそら豆のお話が

ちょっとブラックで…。

なぜそら豆に黒い筋があるのか、という話なのですが…。

  

 日本の昔話だと思っていましたが、グリム童話にも同じ話があります。

国が違うのに同じ話が語り継がれるって不思議ですね。

 

まめとすみとわら (心の絵本)

まめとすみとわら (心の絵本)

  • メディア: 単行本
 

 

 

完訳 グリム童話集 1 (岩波文庫)

完訳 グリム童話集 1 (岩波文庫)

 

 

 友達の不幸をゲラゲラ笑うそら豆って…と、子ども心にドン引きした記憶があります。

のちに「腹黒」という言葉を知った時も、「そら豆!?」と思ったり。

 

 

 

 話がだいぶそれました。

大人になって本屋さんで『そらまめくんのベッド』を見つけ、

ふわふわベッドですやすやねているそらまめくんの姿を見て

長年の偏見?が一瞬で消え去りました。

そら豆なのに可愛い! 

「腹黒」じゃない!(黒い部分は髪の毛みたいに描かれています)

「ベッド」って、さやのことか、なるほどね…たしかにふわふわだ…

(昔はベトベトしてる、と思っていたんです。物語の力ってすごいです)

 

早速 子どもに読み聞かせすると大喜びで、しばらくの間は店先で豆を見るたびに

えだまめくんのベッドはちいさいの。

ピーナツくんのベッドはかたいんだよね。

と言っていました。

そら豆のさやも実際にむいてみて、その「ふわふわ」具合に大興奮していました。

この「ベッド」、庭に置いておいたらだれか使ってくれるかなあ…

なんてやってみたこともありましたっけ(残念な結果に終わりましたが…)。

 

幼稚園くらいのこどもって、大事なおもちゃを人に貸せなかったり

人それぞれ個性があるということに気づけなかったりしますが、

ベッドをなくしたそらまめくんに最初はいい気味、と思っていた他の豆たちが

ベッドを貸してあげようとするところ

(そしてそのベッドが豆によって小さかったり固かったりするところ)は

そういったことをとてもわかりやすく伝えていると思います。

さらに、他のひとを思いやる気持ちや、皆で楽しみを分かち合う気持ちも

ストーリーの中で自然と共感できるようになっていると思います。

 

こどもに読んであげていたのはこの3冊でしたが

 

そらまめくんとめだかのこ (こどものとも傑作集)

そらまめくんとめだかのこ (こどものとも傑作集)

 

       

そらまめくんとながいながいまめ (創作絵本シリーズ)

そらまめくんとながいながいまめ (創作絵本シリーズ)

  • 作者:なかや みわ
  • 発売日: 2009/04/01
  • メディア: ハードカバー
 

 

 

 

出版社も変わって、続きのお話がいろいろ出ているのを知りました。

読んでみたいです。

  

そらまめくんのおはなし(3冊セット)

そらまめくんのおはなし(3冊セット)