本棚に本があふれてる

読書の記録と本にまつわるあれこれ

とら年なので虎の本~『おちゃのじかんにきたとら』

2022年が始まりました。

さて今年は寅年なので、新年最初の記事は虎の出てくるお話を。

 

ソフィーがおかあさんとお茶の時間にしようとしたら

突然玄関のベルが鳴りました。

ソフィーがドアを開けるとそこに立っていたのは

おおきくて 毛むくじゃらの、しまもようのとら!

 

 

 

虎の出てくるお話といえば

あの、溶けてバターになってしまうお話があまりにも有名。

 

 

『エルマーのぼうけん』にも出てきますね。

 

 

 

本来は獰猛な肉食獣ですから、「お前を捕まえて食べてやる」が常套句。

そしてそれを出し抜く主人公とのやり取りが楽しい、というのが虎の出てくるお話の定

番のように思っていました。

プー横丁にたった家』のトラ―のように、天真爛漫なお子ちゃまキャラもいるにはい

ますが、悪意はなくてもトラ―のはねっかえりのせいで事件が起きたり気の毒な被害者

が出ることも。

 

 

いずれにしても人には計り知れないパワーを秘めている、それが虎というもの。

 

 

ですので『おちゃのじかんにきたとら』のつづきも

そしてとらは大きな口をあけて!!

…と思ったら。

あれれ?予想外の展開と終わり方。

恩返しにも…来ない。

魔法が解けて王子様に戻ったりも…しない。

まあそうはいってもとらがお茶をしにくる、というだけで意外性は十分。

とらの計り知れないパワーも感じるし、

ふだん禁じられているようなことをとらがやってのける痛快さもあり、

子どもの好きな繰り返しもあり。

何度か楽しく読み聞かせした本でした。

 

でも作者の経歴(ナチスの迫害を逃れ云々…)を知るとちょっと深読みしたくなって、

ある日とつぜんやってくる、妙に礼儀正しいとらの象徴するものは?

などとあれこれ考えてしまったのでした。

もしかして、

とらは予期せぬ時に気づかぬ形で訪れる災いを示唆していて、

ソフィー達の落ち着きぶりは、

「とら」に根こそぎにされても挫けませんよ。

わたし達は家族で寄り添っていつも通りの生活をおくりますよ。

そのために備えもしてありますよ。

そういうメッセージなのかしら…と。

 

ここ数年いろいろなことがありましたが

どうか2022年は平和な年でありますように。

急に「とら」がやってきたりしませんように。

そしてもしもやってきてもうまくやり過ごして平穏な生活を送れますように…。

今年もボチボチブログが書けますように…。