本棚に本があふれてる

読書の記録と本にまつわるあれこれ

『だれがこまどり ころしたの?』

日本を揺るがした安倍元総理の事件からずっと

このマザー・グースの歌が頭から離れないので、

追悼の思いを込めて記事にさせていただきます。

 

(事件に触れたくない方、不謹慎と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そのような方はこの先はお読みにならないようお願い致します。)

 

 

 

 

だれがこまどり ころしたの?

わたし とすずめがいいました

わたしのゆみやで

わたしがころした

 

だれがこまどり しぬのをみたの?

わたし とはえがいいました

わたしがこのめで

しぬのをみた

 

 

赤い胸の目立つこまどりがさえずっているところを、

すずめの群れの中の一羽が弓で射た。

不穏な匂いをかぎつけてぶんぶん飛び回り、大きな目で何事も見逃すまいとするハエ。

 

古くから伝承されてきた歌と現実の不思議な一致を感じずにはいられなかったのです。

 

でも、ちいさな動物たちがこまどりのために手分けして葬儀の支度をし、

歌は最後にこう終わります。ここも現実と一緒なのがせめてもの救いです。

 

かわいそうな こまどりのため

なりわたるかねを きいたとき

そらのことりは いちわのこらず

ためいきついて すすりないた

 

(『マザー・グース 4』 谷川俊太郎訳 講談社文庫)

 

安倍元総理のご冥福をお祈りいたします。