ちびっこの木について書いたら、
「木」つながりで『おおきな木』を思い出しました。
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「ちびっこの木」も「おおきな木」も、人が好き、人と仲良し。
でも、あちこち旅をして色々な人と知り合うちびっこの木に対し、
おおきな木は自分の場所で、ひとりの少年がくるのをじっと待ち続けます。
じっとしているのが木本来の姿ではありますが、なんだかちょっと切ない。
木と少年の友情?愛情?もとにかく一方的でなんだか釈然としない。
おおきな木さん、あなた本当にそれでいいの?それで幸せなの?と問いただしたい。
少年には、たまにはおおきな木のことも考えてあげなさいよ、と問い詰めたい。
子どものころは、そんな風にぷりぷりしながら読んでいたような記憶があります。
最後のページのちいさな挿絵もなんだか物悲しい印象でした。
でも、大人になってから読んでみると、また違う。
少年にイラつくのは変わりませんが、木に対しての思いがまるで違うのです。
いつでも自分の事を待っていて、優しく受け入れて望みをかなえてくれる人がいて、
疲れたときに帰って甘えられる場所があるって、なんて素敵なんだろう。
子どもの成長を見守り、いつでも子どものありのままを受け入れ、
その時子どもに必要なものを惜しげなく差し出し、「しあわせ」と言える親って、
なんて素敵なんだろう。
こんな風に思うようになりました。
読む人の年齢や状況によって、いろいろな読み方のできる本だと思います。
ちなみに、この本は最初は本田錦一郎さんの訳で出版されていました。
[rakuten:bookoffonline:10150154:detail]
今回どうしても昔読んだ本田錦一郎訳が読みたくなり図書館で借りてみました。
訳者によっても、受ける印象がかなり違います。読み比べてみても楽しいと思います。