本棚に本があふれてる

読書の記録と本にまつわるあれこれ

クリスマスの本②『賢者の贈り物』

すっかり寒くなりました。ただでさえ寒くて外に出たくない上に昨今の状況では、

美容院に行くのも気が進まず、無謀にもセルフカットしてしまいました。

もともと長めのボブ(というと聞こえがいいが要するにおかっぱ)にしていたのを、

5センチくらい切って短めのボブおかっぱにしただけ。

まあまあ満足ですが、

次に美容院に行ったらなんといわれるかと思うとまた足が遠のいてしまいそう。

 

自分で髪を切っておいて言うのもなんですが、

髪を切る、って女性にとっては大事なこと。

ロングヘアの子がバッサリショートにすると、

「何かあったの?」「失恋したの?」と友達に囲まれたり。

逆にせっかく髪を切ってイメチェンしたのに、

恋人(夫)に気づいてもらえない虚しさを味わった人も多いのでは。

 

長い髪をバッサリ、で(ようやく本の話に)、すぐ思い出すのは

オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』

 

 

自慢の長い髪を切って、最愛の夫ジムへのクリスマスプレゼントを買ったデラ。

夫からデラへのプレゼントは…

 

 どんなプレゼントがいいだろうといろいろ考えて選んでも、いざ渡してみると

いまいち微妙な表情をされてしまったり、

逆にどや顔で渡されたプレゼントに内心「えー」と思ってしまったり、

本当に喜ばれるものを贈るのって、夫婦といえども意外に難しいですよね。

 

ジムとデラの贈り物は、相手の一番大事な物をより輝かせるもの。

相手がとても欲しがっていたもの。絶対に喜んでもらえる贈り物。

 でもだからこそ、すれ違いがやるせない。

 

なにもそこまでしなくてもいいのでは?

そんなに無理しないでも、今手に入れられるもので満足すればいいのでは?

そもそもお金がなくて困っているのだから、

高価なプレゼントよりも先に買わなくてはいけないものがあるのでは?

…そんな風に思いながら読んだこともありました。

 

 

でもね、それはうらやましさの裏返し。

だって、相手のために自分の一番大事なものを惜しげなく手放せるって、

究極の愛ではないですか。

夫婦愛の美しさ、自己犠牲の気高さに心打たれる物語です。